クレタ人の踵

AIならびにRobotに関する雑記。 世迷言など。

クレタ人の踵aibo Owner's WEBRINGに参加してます。
【ID:120 所有者:FebruaryMarch
[ 二つ前へもどる | 前へもどる | 次へ | 次の次へ ]
[ 前の5サイトを表示 | 次の5サイトを表示 | ランダムで移動 | リストを表示 ]

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

QRIOがなかなか発売できない理由を考えてみる[1]

QRIOがなかなか発売できない理由を考えてみる[1]
5年たっても売り出せない理由は何か?

 QRIOは言わずと知れたSONYのロボットである。ロボットファンの中でのQRIOに対する期待はかなりのもので、長い間発売が待ち望まれている。
 QRIOは2002年に試作型がSDR-4Xとして発表されており、2000年のSDR-3Xから数えればそろそろ5年になりそうである。途中、鉄腕アトムの誕生日に発売ではないか?という憶測が流れたりして、大いに盛り上がったのを記憶している。SDR-4Xの発表時期とAIBOのプロトタイプ発表から限定試験発売までの間隔などから、それなりの信憑性もあったので、空振りに終わったときに、非常に落胆していた人が私の知り合いにも何人かいた。
 発表当初からQRIOの発売はかなり先になると言われていた。理由は、非常にコストがかかるために、一般消費者が買える価格を設定できないというものである。まぁ、それはその通りなのだろう。ただ、製造コスト、特に発売前の製品のコストにはいろいろな見方があって一筋縄ではなかなかいかないところもある。現在のAIBOの微妙な状況やSONY本体の状態から言っても、高価格商品として打って出られない事情もわからないでもない。
 そうはいってもである。各種イベントだけならまだしも、CMに出てみたり、あげくに踊るは跳ぶは走るはサーフィンするはで、小出しに見せびらかされるだけではたまったものではない。高いといってもタカが知れている(ERS-110の十数倍程度)のであって、売りに出したら買いそうなのは何人もいる。本当にコストだけが問題なのか?とか下衆の勘繰りもしてみたくなろうというものだ。

AIBOはどうして発売できたのか?

 同様の製品で販売されているものとしては、実質、AIBOシリーズしかないので、これとの比較でQRIOが販売できない理由を考えてみたい。
 ところで、AIBOの販売が可能になった背景として、多分に特殊な状況というか運のようなものが複雑に絡んでいたのは事実である。話としてはそちらを追っていったほうが面白いのだし、実際、その手の話はもうあちこちでされているわけだ。ただ、それだけに終始したのでは、結局、「AIBOの時は特別だったから」ということになって、QRIOが販売できない理由を類推するのが難しい。というよりは、FM的にはその手の話は苦手なのである。
 そんな理由で、AIBOとQRIOの比較は技術的な側面にしぼって考える。たとえそれが個人的な妄想であるにせよ、一応は技術の仮面をかぶった状態で話を進めていく。
 AIBOとQRIOの比較、片方は販売されていて、もう片方は販売されていない。では、両者の技術的な相違点とはいったい何なのか?
 ずいぶん引っ張ったわりには、たいしたことのない結論で申し訳ないが、答えは簡単である。
 AIBOは4足歩行で、QRIOは2足歩行です。

AIBOのメタファーは犬?

 とりあえず石を投げつけるのは我慢していただきたい。人間、我慢と辛抱が肝心だ。
 AIBOは4足歩行型のロボットなので、そのメタファーは必然的に4足動物となる。「犬」というのが一般的な見方だろう。プロトタイプでは猫っぽかった時期もあるが、正直、「」でなくて何よりだったと個人的には思っている。
 AIBOのメタファーが「犬」だというのは多勢の意見の一致を見るところである。ロボット犬と言い切ってしまう人さえいる。ところが、実際にAIBOを動かしてみるとよくわかるのだが、AIBOは犬とは似ても似つかないシロモノである。その動作がまったく犬らしくないからである。お手、おしっこポーズなど、ときどき犬っぽいモーションもあるにはあるが、どちらかというとこれらは例外の部類である。にもかかわらず、AIBOが動いているのを見ても「ロボット犬」という見方を変える人はほとんどいない。挙句の果てに、ラッテマカロンまで「犬」と言っている。これはいったいどういうことなのか?

普通の人は犬のことをそれほど知っているわけではない

 AIBOを犬として認識してしまう大きな原因は、実は「犬のことをあまりよく知らない」からである。一般の人はもちろん、犬を飼っている人ですら犬に関する知識は乏しい。犬のことを知らないので、飼い方がおもわしくなく、ダメ犬再しつけのTV番組が人気になったりする。知識が乏しいというよりは犬そのものに対する興味のレベルが一般的にそれほど高くないと言ったほうが良いかもしれない。ときどき抱っこして頭をなでてやるくらいでは、犬に対する知識というのは増えようがない。そういう人にとっては「犬」は「犬のようなモノ」で十分なのだ。逆に、犬に詳しい人にAIBOを見せると、彼らはけっしてAIBOを犬としては扱わない。扱わないのではなくて、扱えないのだ。だって、AIBOは犬ではないのだから。
 このように犬に対する意識レベルが低いところに加えて、「ロボットである」という点でもAIBOに対する評価は甘くなる。ロボットは発展途上の技術であるという共通認識があるので、ロボットなんだから仕方ない、という軽い諦めの気分も心理的にはたらいてくる。ここでAIBOは「ロボット犬」というカテゴリに無事軟着陸して、我々の認識空間の仲間入りをする。AIBOのメタファーは「犬」だが、これが成立しているのは我々の犬に対する認識レベルが低いことが幸いしているわけである。

では、2足歩行のQRIOのメタファーは?

 さてQRIOである。
 QRIOは2足歩行をする。もうこの時点でQRIOのメタファーは決定している。AIBOの場合と違って多少外観を変えた程度ではどうにもならない。
 QRIOのメタファーは人間である。
 QRIOのメタファーが人間であるというのは実はかなりやっかいである。我々は人間のことをよく知っている。人間の興味の大半は人間自身であると言っても過言ではない。したがってQRIOが達成すべきハードルはAIBOと比較して異常なほど高い。
 しかし、それはあらかじめ想定されていたことではなかったのだろうか?
 もちろんQRIOの前身であるSDRの開発でも2足歩行ロボットの開発の困難さは意識されていたはずである。ただ、どちらかというと初期の段階ではその運動能力の側に開発の重点が置かれていたように思われる。
 事実、QRIOの運動能力は素晴らしい。ムービーを見ても初期のAIBOのような不安定さは微塵も無い。世界最高とはいわないけれど一線級の実力を持っている。QRIOはこの運動性能をもって人間へのメタファーのギャップを埋めようとしたのではなかろうか?
 しかし、それはうまくはいかなかった。
 いくら運動性能を高めてもギャップは埋まらなかったのである。
(つづく)

まとめ
QRIOが一般に発売されないのは値段のせいだけではない。
AIBOがある程度成功したのはメタファーの要求レベルが低かったことが一因である。
QRIOのメタファーは人間である。
QRIOがなかなか発売されないのは2足歩行ロボットだからだ。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://febmarch.blog10.fc2.com/tb.php/2-04381590
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。