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MINDYはQRIOを救えるか?[1]

MINDYはQRIOを救えるか?[1]
MINDY以前の問題点を振り返ってみる


 MINDYはインテリジェンス・ダイナミクスに基づいたエージェントの自律行動全体を包含するインテリジェンス・モデルである、ということになっている。
 「なっている」というのは、インテリジェンス・ダイナミクスにしろ、MINDYにしろ、SONYの中の人がそう言い張っているだけであって、「これがMINDYだ」とか「これがインテリジェンス・ダイナミクスだ」とかいう具体的な何かがあるわけではないからである。
 「えっ?そんなばかな」と思われるかもしれないが、これは事実である。極論すれば「平和憲法をもとに戦争のない世界をつくりましょう」みたいなものと同類で、具体的に何をどうすればよいのか、まったくと言っていいほどわからない状態だ。
 MINDYについての成果発表もあったし、実際、QRIO上で動作しているMINDYもあるのだから、具体物がないというのはおかしい、という意見はもっともだ。しかし、今回、発表されたのは、成果というよりは、「こんな感じのものを発展させていきたい」という所信表明演説みたいなものである。ようはWinHECでのビル・ゲイツのデモみたいなもので、MINDYの具体的な実装が今後大きく変化していく可能性はおおいにある。これから研究していくものの総体モデルをMINDYと呼びますと宣言しただけだから、最終的にMINDYがどんなものになるのかは、おそらく開発側もわからないと思う。
 したがって、ここでMINDYと言った場合、インテリジェンス・ダイナミクス2005で開示された技術に限定することにする。知名度先行で、まだとりかかったばかりの研究に対して、あれこれ論評するのはSONYの研究者に対しても申し訳ないとは思うのだが、ああいう中途半端なことをされたのでは、こちらとしても他にやりようがない。

とりあえずAIBOの反省からはじめてみる

 MINDYが必要となったのはAIBOとその発展系であるQRIOの初期型AIに問題があったためである。というか、少なくとも開発側は不満であったということだろう。そこで、AIBOのソフトウェアにもどって検証してみることにする。問題点がわかれば、それをどうやって解決してMINDYになるのかが理解できるからである。
 AIBOWareについてはずいぶん昔に解析した。ここここを見てもらえれば大体の様子はわかると思う。AI部分は確率遷移型の有限要素オートマトンだと思えば、ほぼアタリである。AIBOWareの解析はERS-110とERS-111だけで、お遊びでこんなものを作ったところで飽きてやめている。(笑)
 前回、「AIBOのAIはダメダメだ」と書いたが、これだけではどのあたりがダメなのかはわかりにくいと思う。実はAIBOWareでは、AIBOのカタログにある宣伝文句はほぼ実装されていて一応それなりに動いている。そんなわけで「誇大広告だ」などとJAROに訴えるのは難しいと思う。根っこ部分のプログラムについては、(FM的には)それほど問題はないと思っている。問題は個々の状態遷移セルの記述部分で、圧倒的に作りこみが足りないのである。まずマッチングにあたって、本能、感情パラメーターに限定がかかっているものがほとんどない。大抵が素通しで、たまには空腹(電池切れ)に値が入っている程度だ。確率遷移なのだが、確率分岐しているものは非常に少なく、ほぼ決定性に近い。マッチングパターンにオプションをとるものがあっても、ほとんどオプション指定されていない。成長期ごとに遷移状態クラスが異なるが、共通のノードも多く。そもそもセルの数が少なすぎる。etc,etc,........etc。
 AIBOは飽きる、って、こんな有様では飽きるのは当たり前である。PS2でブロック崩しをやるようなもので、正に「仏つくって魂入れず」なのだ。
 百歩ゆずって「サンプルプログラムですのでサードパーティの皆さん、後はよろしく」なら辛うじて許せるが、そういうわけでもなかった。
 あるいはSONYとしては、そうしたかったのかもしれないのだが。

苦しい事情もわからないわけではないが

 コンピューターゲームは、いまでこそ数百人もの巨大プロジェクトであるが、最初はせこせこ一人でやっていたのである。プログラムはもちろん、キャラのドットも自分で起こし、マップも一人で作っていた。バランス調整も一人である。初期AIBOのソフトウェアの場合も同様で、そう何人も人は割けなかったのだろう。それにこの手のデザイナーというのはある種独特の才能が必要なのであって、そういう人が開発スタッフに混じる可能性というのは、そもそも、かなり低いのである。この種の「人を楽しませるプログラム」を作らせるのにAI研究なんかやってる人間を使うのは、恐らくもっとも効率が悪い。期待歓喜値と観測された笑い声の極大値[dB]の差分を取って強化信号を出力し、それに従ってセル間の結合調整値δを変化させたりするからだ。(だから冗談だってば)
 AIBOやQRIOが飽きるのは、プログラムのバリエーションが貧弱で、圧倒的にデータ容量が少ないことに起因している。コンシューマー向けのRPGのプレイ時間は50時間前後が平均だが、その50時間を遊んでもらうために開発スタッフのマンパワーはどれだけ必要なのか考えてみると良い。ハリウッドが2時間の映画で人を飽きさせないために、どれだけの金を使っているのか、誰もが知っている。AIBOやQRIOは少なくとも数年の間、人を楽しませなければならない。本来、NintendoやDisneyの何十倍ものリソースを投入してしかるべきなのだ。

だから事情の苦しいのはわかっていると言っている

 それだけの金がかけられないのはQRIOが海のものとも山のものとも知れないものだからである。産業として基盤が整って市場が確定すれば、あるいは相応の金をかけられる日もくるのかもしれないが、とりあえず今は無理だ。
 ぐちぐち言っても仕方がない、金がない分は工夫でしのげ、どうせ最後はやる気と根性である。
 幸運なことに、努力と根性だけで解決しなければならないところまではQRIOは追い詰められていない。そこで、少し工夫をしてみることにした。
 MINDYを搭載したQRIOは自分でプログラムを作る。QRIOは自分が人間に愛されるようなプログラムを作ってもらえるほどお金を持っていなかったのだ。
(つづく)

まとめ
 MINDYはまだ実態が確定していないので、論評するのはできれば避けたい。
 でも、引き受けたのだし、面白そうだから、やる。
 AIBOWareの最大の問題点は作りこみが足りなかったことである。
 金がなくて不幸なのは人間に限ったことではない。
 最近、実はSONYは貧乏なんじゃないか? とは巷の噂である。
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  • 2005/05/19(木) 22:53:47 |
  • すねいるの言いたい放題ヽ(´ー`)ノ
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